TPPの実態は!? 前編

流通研究社からお話をいただき、

同社が主催している「アジア・シームレス物流フォーラム2016」において、

5月19日に講演会を行いました。

物流フォーラム

 

 

 

 

 

 

題名は「『TPPの活用とこれからの物流」~TPPを見据えて今何をすべきか、

またその先はどうなるのか~」です。

おかげさまで300名を超える方がご参加くださり立ち見も出るほどの盛況でした。

皆さんのTPPへの関心度がうかがえます。

 

 

TPP発効

TPPは2018年春には発効されることになっています。

しかし、その発効日には条件があり、

署名から2年以内に全参加国が国内手続きを完了した旨を通報した60日後。

若しくは、全参加国のGDP総額の85%を占める

6カ国以上が国内手続きを終え通報した60日後に発効するとされています。

 

しかし、日本と米国だけでTPP参加12カ国全体の

約80%のGDPを占めているため、

日本と米国が通報しなければTPPは成立しないのです。

 

日本では、今春の通常国会でTPP法案は成立しませんでした。

この法案は今秋召集される臨時国会に持ち越されるそうです。

ちなみに米国では、

今秋行われる大統領選が終わるまでは審議することができないでしょう。

 

しかし審議を行うとしても、大統領候補である民主党のクリントン氏、

共和党のトランプ氏ともにTPP反対を表明しています。

今後の見通しは決して明るくありません。

TPPのGDP

 

 

 

 

 

 

 

TPPの合意内容

多くの人は、輸入関税率が低くなるのがTPPだと思っているようですが、

それはTPP合意内容の1/30でしかありません。

TPPには全部で30もの項目があるのです。

 

しかし、メディアで報道されている内容の多くは関税率削減についてです。

その点が、一般の人々に最も訴えかけやすいからでしょう。

関税率以外の部分にも是非目を向けてください。

 

貿易アドバイザー 木村 徹