税関の事後調査の実態 後編

輸入に関する主な法律は「関税法」、「関税定率法」、「関税暫定措置法」です。

これら以外にも、食品であれば「食品衛生法」、「植物検疫」や「動物検疫」、医薬品であれば「薬事法」など多数の法律が関係してきます。

輸入者はこれらの法律を熟知して貿易取引を行わなければなりませんが、多くの方は商材を国内で調達する延長線上で海外から購買しているために、法を犯してしまっているのです。

 

皆さんにお話しするのは、まずは法に則って書類を整理することです。とはいえ、何もしていなかった人が多く、この書類整理に相当手間取ります。

次に、整理された書類の内容を確認します。

これらの手順を取らないと、調査すべき個所・対策すべき内容が全く見えないからです。

 

中には、書類整理の段階でギブアップする人もいますし、見られたくない書類を隠す人もいます。

しかし、事後調査を行う税関職員はいろいろな企業の事例を見ている百戦錬磨のプロです。

ちょっと隠したくらいであれば直ぐにバレてしまいます。

そして、隠したことがバレた時は、より厳しい処分が下されます。

 

ちなみに、事後調査では過去5年に遡って調査されるため、申告漏れを指摘された方の負担は相当な額になります。

どのような金額になるかというと、本来納付すべき関税や輸入消費税の不足税額に、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税、延滞税等の附帯税を加算したものになります。

 

当研究所でお手伝いするのは次の事項です。

  1. 法律に則って書類を整理する。
  2. 支払い状況の確認を行う。
  3. 課税価格が適切に算出されているか確認する。
  4. 対策を立てる。

 

『附帯税を納めないようにして欲しい』という要望もありますが、それは脱税に加担することになるため、当研究所では、そのような強い要望がある企業様とはお取引いたしません。

 

当研究所でできることは、納付しなければならない附帯税を削減する努力をすることと、今後、同じ間違いを起こすことがないような体制を作ることです。

 

税関からの事後調査の連絡は必ずあると考えたほうが良いでしょう。

少しでも早く対応することで、無駄なコストを使うことが軽減されます。

また、連絡がないからいいと考えるのではなく、少しでも早く正しい対応を取るべきだと考えましょう。

 

また、当研究所が事後調査への立会を求められることもあります。本来であれば弁護士業務ではありますが、立会する方法もあるため、法を遵守した上で事後調査への立会もいたします。

 

自分の会社も該当するのではないか、どのような対策を講じればよいのか分からない方は、お気軽にお問合わせください。相談は無料でお受けしております。

 

次の資料は、税関が発表している事後調査の実態です。

 

平成27事務年度の関税等の申告に係る輸入事後調査の結果

出典:財務省報道資料