センシティブ品目 中編

先日は、貿易実務ロールプレーのセミナー案内を
送らせていただいたところ、何人かの方から連絡をいただき
また、申し込みいただきありがとうございました。
今週金曜日はよろしくお願いします。

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■ HSコードと関税  ”前回の続き”
例えば、HSコード番号「1006.30」は精米の事であり、
日本での輸入関税は341円/Kg(WTO協定税率)です。
新聞等では、米の関税率は778%であると記載されていることが多いですが、
これは便宜上%表示に換算しているだけで、
この数値の計算根拠となる関税率は341円/Kgなのです。
つまり、5kgsの輸入精米の小売り価格には1,705円の関税が含まれているのです。
他にも挙げると、生鮮牛肉の枝肉のHSコード番号は「0201.10」であり、
関税率は38.5%(暫定税率)です。

前述のとおりこれらのコード番号は世界中で採用されているので、
「1006.30」という番号は世界中どこでも「精米」として認識されますが、
関税率は国ごとに決められています。

日本での関税額は、CIF(※)価格と言われる
「商品価格に輸出地から日本までの海上運賃等の輸送費用や
海上保険料を加算した価格」に関税率を乗じて算出されます。

※ ここでのCIF価格という言い方は厳密な使い方ではありませんが、
一般的に使われている用語なので、
ここでは分かり易いように敢えてCIFを使用しています。

日本では、一般的に機械物の関税率は無税の物が多く、
比較的農畜産物の関税率は高い傾向にありますが、
すべての農畜産物の関税率が高いわけではなく、
生鮮のトマト、ばれいしょ、レタス等の関税率は5%ですし、
カシューナッツ、ピスタチオナッツにおいては無税です。

(つづく)

参考ページ
4月号1/3 センシティブ品目
4月号3/3 センシティブ品目

この掲載文は、ロジスティクストレンド誌に連載している内容を転載しております。
http://www.logitrend.info/

 

貿易コンサルタント 木村徹