日本が他国に支払っている輸入関税 中編

ここからうかがえることは、

米国はなんとしてでも日本をTPPに参加させたい

という意気込みがあるということです

(因みに、日本が米国の乗用車や貨物自動車(トラック)を

輸入する際の輸入関税率は現在「無税」です)。

 

他国の状況を見てみましょう。

お隣の国、韓国も貿易で成長してきた国です。

この韓国が、EU(欧州連合)とFTAを締結したのは記憶に新しいことですが、

これによって韓国で生産された自動車が

欧州に輸入される際の関税率は、4年後から無税になります。

つまり、韓国は欧州での自動車販売において

日本よりも優位に立つということです。

ちなみに、日本は現在EUとFTA交渉をしている最中です。

 

  • TPP参加によるメリット・デメリット

 

では、日本はTPPに参加すべきでしょうか。

政府内でも民間でも喧々諤々の論争が湧き上っています。

賛成派の理由は、輸出振興につながるということと、

TPPを締結しないと日本からの輸出貨物に対して

相手国で関税がかかってしまうため、

諸外国よりも価格的に不利になることがありえるからです。

 

特に表4に記載したような日本産品に対して関税が課せられています。

自動車産業、電気産業、繊維産業などでは、

相手国における輸入関税が無税になれば価格競争力が増すので、

TPP参加に賛成しています。

そして、これらの業界が加盟している経団連もTPP参加に積極的です。

 

(つづく)

参考ページ
9月号1/3 日本が他国に支払っている輸入関税
9月号3/3 日本が他国に支払っている輸入関税

 

貿易コンサルタント 木村徹