欧州で倉庫を設置するにはどこが最適か 後編

ベルギー・フランダース政府貿易投資局

1. みなし利子控除制度0.5%の資本登録税が廃止され節税効果がある。

2. 自己資金による投資をした場合、課税標準を縮小できると共に

3. 国内配当源泉税免除制度配当源泉税率ゼロで

   利益を本国へ送金することができる。

4. ヨーロッパの投資拠点をフランダースに置くことで、

5. VAT納税グループ連結申告が可能なため、

   グループ内で重複して納税することがない。

6. 同一グループ内の各企業は、VAT税率21%の申告について

 

法人税

法人税率は、オランダが25%、ベルギーが33.99%です。

 

また、周辺国ではドイツが約30%、イギリス28%、フランス33.33%であり、

オランダが絶対的に低率ですが、前述のように両国ともに各種控除制度があるため、

表面上の法人税率だけでは比較ができません。

 

また、損失繰り戻し制度や、損失繰越し制度もあります。

 

輸入通関

日本で商品を輸入する際には、基本的には輸入の都度輸入申告を行い、

関税と消費税を納税した後に初めて市場に出荷することが出来ます。

 

この制度は日本だけのものではなく多くのEU諸国でも同じ制度をとっています。

しかし、オランダには一月分をまとめて輸入通関できるという制度があります。

 

物流センター

皆さんがイメージしている通り、

欧米諸国では広大な敷地に広大な倉庫が建っています。

倉庫内に複数のフロアーがある倉庫もありますが、

日本のような多階建を前提とした倉庫はほとんどありません。

 

それは、土地価格が安いため

建築コストがかかる多階建よりも平屋方式の倉庫が好まれるからです。

そして、倉庫内の天井は日本の倉庫と比較するととてつもなく高いと言えます。

 

一般的には約10メートルと考えておくと良いでしょう。

 

基本的にパレットラックで保管することが前提になっているので、

当然パレットラックの高さも天井すれすれまでの高いものです。

 

日本の倉庫の場合は天井高がおおむね5メートルほどで、

3-4段積みが一般的ですが、

欧州では同じ底面積で約2倍の貨物を保管することが出来るのです。

 

保管だけを考えると、日本と比べて安い土地に低い建築コストの建屋を造り、

1フロアーに2フロアー分の貨物を置くことが出来るのですから、効率的ですね。

 

ということで、欧州で倉庫を設置する際には

一般的にはオランダ若しくはベルギーをお勧めいたします。

 

どちらにするかの決め手は、「ロジスティクス・コスト」、「作業品質」、

そして「税制優遇」です。

特に、税制優遇に関しては優秀な会計事務所の起用が重要になります。

 

現在、物流・貿易研究所では、

オランダに新しく倉庫を設置する企業様のコンサルテーションを行っており、

導入プロジェクトが終了し先日稼働したところです。

 

貿易コンサルタント 木村徹