TPPの実態は!? 後編

TPPのメリット

次の3つがTPPのメリットであると政府が発表しています。

「実質GDPは2.6%増加する」

「労働供給は約80万人増と見込まれる」

「GDPが約14兆円拡大する効果が見込まれる」

もしTPPが発効されることで確実にこれらが実現するのであれば、

反対する人はいないでしょう。が、実際日本国中の約半分の人が賛成で、

半分の人が反対しているということは、

TPP発効後どうなるかが分からないという不安を持っている人が

多いからに他なりません。

 

別の角度で見てみると、農林水産省の平成28年度の予算では

TPP関連として約3,000億円の税金が投入されています。

これはある意味、その業界にいる人にはメリットに違いありません。

 

関税率が下がる

日本の輸入牛肉の関税率は現在38.5%ですが、

TPPが発効されることで9%になります。

約30%も下がるのです。だからといって、

1000円の牛肉が700円になるわけではありません。

ここにはメディア報道が伝えきれていない仕組みがあるからです。

しかも9%になるのは発効の16年後です。

 

TPPよりもRCEP

これは簡単に言うとアジア版のTPPです。

その加盟国はアセアン10カ国と日本、中国、韓国、

インド、オーストラリア、ニュージーランドの全16カ国です。

 

ほとんどのメディアがRCEPについて詳しい内容を報道していませんが、

そこで動いている輸出入額、物量、人口ともにTPPよりも大きいと言えます。

 

TPPとRCEP、どちらが日本にとって重要だと思いますか?

また、何故メディア報道が少ないか知っていますか?

 

講演会では全50ページの資料を用意しましたが、

それでもだいぶページを減らしたので、

TPPについてはそれだけ話すことが多いということです。

今号ではその内容のほんの一部をご紹介いたしました。

 

貿易アドバイザー 木村 徹