貿易に無くてはならないものの一つに「港」があります。
日本は島国であるため、輸出若しくは輸入の際に、
貨物は必ず港を通過します。空港も港の一つです。
空の港と書くくらいですから港に間違いありません。
日本史で習ったと思いますが、初めて通商が行われた開港は長崎港です。
今回はその長崎について見てみましょう。
長崎の開港
歴史を紐解いてみると、1543年(天文12年)種子島に鉄砲が伝来したのち、
1550年に平戸にポルトガルの船が1隻入港しました。
これが長崎に入港した初めてのヨーロッパ船と言われています。
その後、長崎県内のどの港を開港すれば良いかが検討された末、
1571年(元亀2年)にポルトガル船とポルトガルがチャーターした
唐船の2隻が長崎港に入港し長崎港が開港しました。
当時、ポルトガルから輸入されたものは、砂糖、生糸、
絹織物、珊瑚、ゾウ、トラ、クジャク、象牙などであり、
日本から輸出されたものは、銀、刀剣、鉄、屏風、漆器などだったようです。
また、インドのゴアがハブ港であり、マラッカ、マカオを経由して
長崎に来た船が再度ゴアに戻るまでに約3年を要していたそうです。
現在のコンテナ船なら各地を経由したとしても
60日ほどで往復することができるでしょう。
それから29年後の1600年(慶長5年)にオランダ船が豊後(大分県)に漂着し、
これをきっかけにオランダとの交流が始まりました。
このオランダとの通商も平戸(長崎県)が窓口でした。
続いてイギリスとの通商も始まりました。
このように日本の港が発展する礎を築いたのが長崎港なのです。
現在の長崎港
(2016年4月筆者撮影現在)
貿易コンサルタント 木村 徹