欧州向け輸送に大変革が起こる

時間が無い方、文章を読むのが好きではない方は最後からお読み下さい。

  1. 一帯一路
  2. 日EU・EPA
  3. PPAP
  4. この話の行きつくところは?

 

一帯一路

これは、中国と中央アジアから欧州までを陸路で繋ぐ「一帯」と、中国と東南アジア、南アジア、アフリカ東岸から欧州までを海路で繋ぐ「一路」を合わせた用語です。

 アジア各国を始め欧州は、中国を後押しすると表明しています。また、当初敵視していた米国も、最近になって一帯一路に協力すると言い始めました。

 我が国日本はというと、米国に合わせてNOを表明し続けていましたが、米国が協力すると言うや否や協力していきたいと意思を翻しました。

 

日EU・EPA

 平成29年7月6日、締結の大枠合意がなされました。

 欧州を基点としたアジア方面とのEPAやFTAについて見てみると、すでにEUは韓国とFTAを締結しています。また、ASEANや中国とのFTA交渉の機運も高まっています。今後は欧州とアジア全域のFTAが加速するでしょう。

 それによって予想されるのは欧州-アジア間の物流量の拡大ですが、ネックもあります。それはトランジットタイムです。日本-欧州間の海上輸送のトランジットタイムは約40日です。航空機であれば1-2日ですが、輸送費を考えると航空機を使うことができる貨物は限られてしまうため、ほとんどの貨物は船舶で輸送されます。

 海上輸送なら運賃は安くなりますが、輸送日数の40日に輸出国と輸入国での荷揚げ下ろし、運送、通関日数等を加えた約60日は倉庫に保管していると同じことになってしまいます。つまり、2ヶ月間換金できないということです。

                                                                                

PPAP

 世界中の誰もが知っているピコ太郎さんの名曲です。

 最近、ニューヨークの国連本部で国連が定めたSDGsに関する会議に出席したピコ太郎さんが、PPAPのSDGsバージョンを披露しました。ちなみに、SDGsとはSustainable Development GOALSの略であり「持続可能な開発目標」のことです。

 でもここで言いたいことはPPAPについてではなく、世の中の新しく発明されたと思っているモノや事のほとんどは、何かと何かを組合せたものであるということです。全くの無から生みだされたものはほとんどないと言っても良いでしょう。

 

この話の行きつくところは?

 一帯一路と日EU・EPAを合わせると、中国から欧州への鉄道輸送が見えてきます。

 それが生み出すものは…リードタイムの短縮です。

 海上便であれば約40日かかるところを、鉄道便を使えばその1/2から1/3ほどになるからです。

 つまり、貨物を早く換金することができるのです。結果、少ない資金でビジネスを回すことができるということになります。

 物流担当者は得てして目の前の運賃金額だけで物事を考えがちですが、もっと大きな枠の中でビジネスを考えなければ、会社も自分も成長することはできないでしょう。

 私の友人も、現在、日本-中国-欧州向けの鉄道輸送を手掛けています。

 以前、シベリア鉄道経由の輸送網がありましたが現在はほぼゼロの状態です。しかし、中国からのルートであれば中国発の多くの貨物が望めることから、5年後には海上便と共にポピュラーな輸送路の一つになることは間違いありません。

 

興味がおありの方は物流・貿易研究所へ是非ご連絡を下さい。

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