今回は「RFID」の話です。
- RFIDとの初めての遭遇
- RFID宣言と1000億円市場
- RFIDは何枚必要か
- 本当に全部の商品にRFIDが付けられるのか?
- ユニクロとRFID
- RFIDの処分
RFIDとの初めての遭遇
それは25年前に遡ります。
ロサンゼルスのトーランスというところに出張した際、宿泊していたホテルの傍の巨大なスーパーマーケットで、出張者には似つかわしくない米国サイズの紙の箱に入った歯磨き粉を買いました。
その後日本に帰ってきてから、ゴミを分別して捨てようと、紙の箱を開いてみたら箱の内側に何か見えます。それは、薄い金属の渦巻きのような薄いプリント基板状のものでした。
「 何でこんなものが付いているんだ?」「どうやって分別するんだ?」という疑問が生じました。
のちにRFIDという言葉が日本でもメジャーになってきましたので、あれはRFIDだったのだろうということが分かりました。
本格運用だったのか、テスト運用だったのか分かりませんが、現在ですら広く本格運用されているとは言い難いRFIDは、実はそれほど昔からあったのです。
RFID宣言と1000億円市場
2017年4月18日(火)、経済産業省は、2025年までにコンビニで取り扱われている全ての商品にRFIDをつけることを宣言しました。当然、コンビニの了解無しに宣言することはできないのですが、セブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、ニューデイズが合意したのです。
それの前段階として2018年を目処に、特定の地域で、取扱商品にRFIDを貼付けて実験を開始するそうです。
ただし、2025年に実現させる条件の一つにRFIDが一枚当たり1円以下になっていることが挙げられています。ちなみに、現在の価格は一枚当たり約10-20円ほどです。
仮に一枚1円となった場合、RFIDタグ販売の1000億円市場が出来るということです。
http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170418005/20170418005.html
経済産業省の担当者
商務情報政策局商務流通保安グループ
電話:03-3501-1708(直通)
RFIDは何枚必要か
RFID宣言の際に公表した使用個数は、年間1000億個です。
この数を、一日当たりに換算すると約3億個の商品にRFIDが付けられるということになります。
現在では、商品にRFIDを付けるのは物流センターの仕事です。しかし、一日当たり3億個の商品にRFIDを付けるとなると、物流の仕事ではなくなり商品の製造工場で付けることになるでしょう。恐らくこの宣言は製造業界を巻き込んだものではないと思われます。つまり、経済産業省は購買力を持ったコンビニに主導させて製造業界に圧力をかけさせ、製造業者にRFIDを付けさせようとしているのではないのでしょうか。
ちなみに、製造段階で商品にRFIDを付けることをソースタギングと言います。
コンビニには「セルフレジ導入によりレジの人数を大幅に削減できる」、「発注作業の時間が短縮される」、「棚卸が楽になる」、「万引き防止に役立つ」といったメリットがありますが、このRFIDの費用とソースタギングで使用する機器は誰が負担するのでしょうか。
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