政治家をやっていくには舌が何枚も必要なのか、
その他のTPP参加国を見てみると、オーストラリアは利口です。
早期のTPP決着が難しいと読んだのか、
若しくは、TPP決着の呼び水となるべく大人の対応をしたのかはわからないところですが、
いずれにしても日豪FTAを妥結の方向性に導くために
畜産関係を主とした関税協定に合意しました。
マレーシアはどちらかというと中国よりの態度を取っており、
米国をけん制しながら有利な条件を引き出そうとしているように見えます。
今やTPPは12か国の協議ではなくなり日米間のみの協議の様相を見せていることから、
各国は「日米に巻き込まれて散々だ。TPPから離れて
二国間協定の場を作って別の場でやってくれないと決まるものも決まらずに迷惑だ」
と感じているのではないでしょうか。
それにしても、日米のTPP交渉での功労賞は甘利TPP担当大臣でしょう。
「もう一度担当相をやりたいかと言えば、やりたくない」とか、
「7、8合目くらいで、9合目までは行かない。
山も上の方は空気が薄くなって登りづらくなる」と迷言を残していますが、
米国の言いなりにならずにあれだけやってくれれば気持ちがいいというものです。
(つづく)
参考ページ
7月号1/3 TPPを巡る最近の国際情勢
7月号3/3 TPPを巡る最近の国際情勢
この掲載文は、ロジスティクストレンド誌に連載している内容を転載しております。
http://www.logitrend.info/
貿易コンサルタント 木村徹