トラックの荷待ち時間を減らすためには何をすべきか

 現代では、いかに「コンプライアンス」を重視して経営するかが、どの企業にとっても重要な課題となっています。そして、それは経営者だけではなく、全ての社員が日々の業務をこなすうえでも言えることです。

 

 今回は、物流ビジネスの要である、物流センターとトラックのコンプライアンスにフォーカスします。

 

社会環境の変化

 今般、物流の社会環境と法律が大きく変わってきています。例えば、「荷主勧告制度」、「標準貨物自動車運送約款等の一部改正」や「ホワイト物流推進運動」のように。

 これらの中で規定されている項目にトラックの待ち時間があります。それは簡単に言うと、荷積みの際、若しくは荷降ろしの際に、トラックを長時間待たせてはいけないというものです。私の物流セミナーでも、この点は必ずお伝えしています。

 

トラックドライバーの荷待ち

 では、トラックドライバーはどのくらいの時間荷待ちしているのでしょうか。

 国交省のアンケート調査によると、1運行あたり平均1時間45分であるそうです。そして、全体の15%ものドライバーは1運行あたり3時間以上も荷待ちしているそうです。

 物流センターは、なぜトラックを待たせて平気なのでしょうか。例えば、皆さんがお客様のところやお店に、予定された時間に行ったにもかかわらず、1時間45分も待たされて平静でいられることはほぼないでしょう。なのに、トラックは待たせても良いという感覚が分かりません。

 

トラックドライバーはなぜ待っているのか

 トラックドライバーはなぜ1時間45分も荷待ちしているのでしょうか?ちなみに、この時間は物流センター側の理由による待ち時間です。つまり、ドライバー都合により早く到着した時間は含まれておりません。

 待ち時間が生じるのは、物流センターのトラックバースが混雑するからです。では、なぜ混雑するのでしょうか。それは、やってくるトラックをコントロールしていないからです。

 

トラックドライバーの荷待ちをなくすためには

 つまりトラックをコントロール出来れば、このような長時間の待ち時間が発生しないのです。待ち時間がなければ、ドライバーはもう1件仕事をこなすことができて、売り上げも給与も増やすことができるというものです。

 コントロールの方法は非常に簡単なものです。物流センターは時間当たりの作業可能台数をわかっています。それを公表し、ドライバー側は空いている時間を予約すればいいのです。歯医者さんの予約のように。それによって、物流センターでトラックが輻輳することを防げるのです。

 

トラック予約受付システムの導入

公益社団法人全日本トラック協会では、荷待ちを改善するツールの一つとして、物流センターが「トラック予約受付システム」を利用することを推奨しており、12社のシステムを紹介していますが、インターネットで調べてみれば他にも多数のシステムが販売されていることがわかります。

※ トラック予約受付システムとは何か?  次のHPを参照してください。

   国土交通省

   全日本トラック協会

 

 下の画像は、Hacobu社から提供していただいたMOVOというシステムの画面です。どのバースが埋まっているかが一目瞭然なので、空いている時間を予約すればよいのです。物流センター側も業務を均一に行うことができます。右側のSMS呼び出し画面とは、積み込み、荷降ろしの際、順番が来たら、物流センターの担当者がドライバーに対してSMSで呼び出してくれる機能です。

   Hacobu社 画面イメージ

 

 皆さんも、自社に合ったシステムの導入を検討することで、運送会社から選ばれる、そしてドライバーに喜ばれる物流センターを構築してください。