TPP交渉は牛歩の如くなかなか進展しません。
全部で21分野ある中で、12分野はおおむね決着となったそうですが、
残された分野はどれもハードルが大きな分野であるため
本年中の決着も難しいのではないかと思われます。
残された分野で最も大きな分野は関税交渉です。
そこで、日本が他国にどれくらいの関税を支払っているかを
経済産業省の資料から見てみると、
日本が11のTPP交渉参加国に対して納税している
輸入関税額は年間4,700億円に達するそうです。
その中でも、日本が支払っている主な品目の輸入関税率を表に記載しました。
2013年の経済産業省資料を基に作成
TPPでは、「聖域なき関税撤廃」を謳っていますが、
本年2月22日に米国ホワイトハウスで行われた
オバマ大統領と安倍首相の首脳会談の際に、
オバマ大統領から「米国に輸入される乗用車の関税は撤廃しない」という話があったそうです。
これは、米国の主要産業である自動車製造業を守るという意味を持つと同時に、
「日本においても農産物に関して関税を残してはどうですか、
関税撤廃にこだわることなく一緒にTPPに参加しましょう」
という意思表示ではないかと考えられます。
(つづく)
参考ページ
9月号2/3 日本が他国に支払っている輸入関税
9月号3/3 日本が他国に支払っている輸入関税
貿易コンサルタント 木村徹