HSコードとは
HSコードとは世の中のすべてのモノを番号で表示したものであり、地球上ほぼすべての国と地域が同じ番号を使っています。
貿易や国際物流に携わっている方には馴染みがあるでしょうが、国内物流関係者は初めて耳にする言葉かもしれません。「私は国際物流に関係ないからいいや」と言わずにHSコードくらい知っておきましょう。なぜかというと、日本人の生活は海外との取引無しでは成り立たないからです。例えば、私達の使っているエネルギーの国内自給率は、たったの6%。つまり、94%は輸入に頼っているのです。ここからも、貿易が必要であることが分かることと思います。
ちなみに「HSコード」は、他に『HS品目番号』、『統計品目番号』、『税表番号』、『統番』、『税番』、など、いろいろな言葉で呼ばれていますが、全て同義語です。このメルマガではHSコードと呼びます。
通関士試験とHSコード
先日、公益財団法人日本関税協会が実施している、通関士養成講座のビデオ撮影に行ってきました。通則とHSコードについての講習用です。HSコードを理解していないと国家試験である通関士試験に合格することは出来ないと断言できます。それくらい、通関には必須の内容です。
イエメンでも、ペルーでも、ドイツでも、そして日本でも、例えば6601.91は『折畳み式の傘』を指します。『折畳み式ではない傘』は6601.99です。
言ってみれば、HSコードは世界共通の言葉なのです。
HSコードは、日本関税協会が出版している「実行関税率表」に書かれています。それは、日本における輸入用のHSコードであり、輸出用のHSコードは「輸出統計品目表」に記載されています。
出典:日本関税協会
税関のHPでも見ることができます。
出典:財務省・税関(抜粋)
世界共通語は誰が作ったのか
世界共通語であるHSコードは世界中の約200の国と地域で使用されていますが、開発したのは「WCO」です。これはWorld Customs Organization、つまり世界税関機構のことであり、ここで決められたHS条約(商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約)で規定されているのがHSコードなのです。
ちなみに、WCOのトップである事務総局長は、2009年1月から日本人の御厨邦雄氏です。現在3期目であり、現在の任期は2023年12月までとなっています。
HS条約批准国一覧
出典:財務省
HS条約を批准しているのは159カ国+EU(27カ国)ですが、批准していない国でもHSコードは使用されているため、約200の国と地域がHSコードを使用していることになるのです。
次回は、HSコードの不思議について書きます。