HSコードの不思議 ー ①

 前回の「HSコードとは」で、HSコードがどんなものなのか分かったことでしょう。

 HSが規定されている「HS品目表(実行関税率表)」には、HSコードという数字が羅列されています。そして、この番号はほとんどすべての国と地域が使っている世界標準なのです。

 今回は、ハンカチとスカーフについて見てみたいと思います。

 

ハンカチのサイズ

 ハンカチのサイズが何センチか知っていますか。また、ハンカチとスカーフのサイズの違いを言うことができるでしょうか。

 ちなみに、HS品目表には次のように書かれています。

HS品目表 第62類注―7 (抜粋)

 スカーフその他これに類する物品で正方形又は正方形に近い形状のもののうち、各辺の長さが60センチメートル以下のものはハンカチとして第62.13項に属する。ハンカチで一辺の長さが60センチメートルを超えるものは第62.14項に属する。

 つまり一辺60センチメートルが、ハンカチとスカーフのボーダーラインということです。

 HSコードの62.13と62.14には、それぞれ次のモノが規定されています。

  • 第13項 ハンカチ
  • 第14項 ショール、スカーフ、マフラー、マンティーラ、ベールその他これらに類する製品

 そこで気になるのが、「日本ではどのように決まっているのだろうか?」

 世界標準と日本標準の違いは?という点です。

 

消費者庁の基準

 消費者庁のHPを見てみると次のように規定されていることが分かりました。

ハンカチ : 

 主として手拭きに用いる小形の布をいう。普通に使用されている綿・麻布製ハンカチのほか、タオルハンカチ、ガーゼハンカチ、バンダナ等が含まれている。

マフラー、スカーフ及びショール : 

 いわゆる首巻き(襟巻き)、肩掛けの総称で、ストール、ネッカチーフ等も含まれる。なお、スカーフは主として装飾に用いるものをいう。

 

 ここにはサイズの表示がありません。

 マフラー、スカーフ及びショール等の規定は改正後のものであり、改正前は次のように規定されていたようです。『スカーフは60センチ平方以上の方形品が主で、実際にはマフラーと区別することが困難な場合が多い(平成29年3月30日に改正)。(抜粋)』。

 

HSコードの不思議はこれだけではない

 ハンカチだけを取ってみても、こんなに不思議なのです。私たちが知らないところで、いろいろなことが定義づけされています。アパレル製品であれば、男子用衣類と女子用衣類の違い、乳幼児の身長などが決められています。アパレル以外なら例えば、皆さんが食べているホルモンは食べ物の扱いではないとか、馬とシマウマの違いとか。まだまだ不思議がいっぱいです。機会があったら、それらも紹介したいと思います。