5月23日に開催された【貿易実務のロールプレー】のセミナーには
約60名の方が参加されました。
頂きましたアンケートにはどれも「満足」、「非常に満足」に印がついており、
ほっと胸をなでおろした次第です。
今回セミナーを主催された関税協会では、このセミナーをレギュラー化することにしました。
機会がありましたらご参加願います。
メルマガの読者の方で参加していただいた方もいらっしゃいました。
ありがとうございました。
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■ 輸入米の輸入量と輸入価格 ■
日本人の主食であるHSコード番号1006.30の「米」のうち、
2013年暦年に政府米として輸入されたものは
67万トンでありCIF価格は460億円でした。
1Kgあたりの平均CIF価格は70円であることから、
5kgs分だと350円になります。もし関税が撤廃された場合、
5kgs入りの米のスーパーでの小売価格は700円~1000円くらいになるでしょう。
国産米の標準小売価格は5Kgsで2,000円なので、
価格だけで見ると輸入米は国産米にとってかわることに間違いありません。
米は国による補助金政策で守られている部分があるので、
単純にこのような価格比較にはならないと思いますが、
関税が撤廃されたら一般庶民は国産米に手を出しにくくなるでしょう。
ちなみに、政府米以外の輸入米は482トンであり、
CIF価格は5千5百万円でした。
■ 輸入実績がない品目 ■
TPP交渉で、農産物のうち輸入実績がない品目は
関税を無税にしてはどうかという話が出ています。
輸入実績がないものにはどんなものがあるか何点か挙げてみます。
① 肉ずく(ナツメグ)のうち、破砕または粉砕していないもので、
小売用容器に入っているもの
② 殻付の落花生のうち、煎ってないまたは加熱調理していないもので、
税関の監督の下で採油用原料として使用するもの
③ ラードのうち、酸価が1.3を超えるもの
HSコード番号は、このようにマニアックな内容で細分されています。
もちろん、肉ずくは今までにも輸入されていますが、
このような加工・包装形態では輸入されていないのです。
参考ページ
4月号1/3 センシティブ品目
4月号2/3 センシティブ品目
この掲載文は、ロジスティクストレンド誌に連載している内容を転載しております。
http://www.logitrend.info/
貿易コンサルタント 木村徹