お客様から当研究所へいただくお問い合わせ内容に、『効率的なロジスティクス運営を行うにはどうすればよいのか』とか『ロジスティクスコストを削減したい』というものがあります。こちらでできることは、長期契約でない限り、どうしてもその時、その瞬間の物流の効率化のためのアドバイスになってしまいます。でも重要なことは、自分たちでそれをいかに継続できるかです。そのためには、ある程度ロジスティクスの理論と本質について知っていなければなりません。
つまり、人材の教育が必要ということです。
資格試験の種類
資格試験を大きく分類すると、国家試験、公的試験と民間試験に分けることができます。ロジスティクス関連の事務系試験にどのようなものがあるかを次に列挙します。
- 国家試験 : 通関士、海技士、
- 公的試験 : ロジスティクス「管理」・「オペレーション」(中央職業能力開発協会)
- 民間試験 : ロジスティクス経営士、他(日本ロジスティクスシステム協会)、物流経営士(全日本トラック協会)、ロジスティクスМH管理士(日本マテリアル・ハンドリング協会)、貿易実務検定、IATAのディプロマ、他
いろいろな資格があるものですが、受講費用を見てみると数十万円かかるものもあります。そんな中でも手軽に資格試験に挑戦できるという点で、中央職業能力開発協会(JAVADA)が実施しているロジスティクス管理と、ロジスティクスオペレーションの資格が現実的です。なぜなら、これらはセミナー等への参加が必須とされておらず、また、受験料も3300円から11000円ほどとそれほど高額ではないからです。つまり、最低3300円で資格を得られるかもしれないのです。
ここからはJAVADAのロジスティクス検定試験を紹介いたします。
受験者数
検定試験はBASIC、3級、2級、1級とクラス分けされており、令和2年度の総受験者数は約9,000人でした。安価であるということと、公的試験ということから、これだけの人数が受験しているのだと思います。昇進試験の一つとして活用している企業もあります。
勉強方法
JAVADAから標準テキストが販売されています。試験はこのテキストから出題されるため、テキストの購入は必須です。その他、JAVADA公認団体から解説集が出版されていますし、JAVADAが認定した団体が認定講座を開講しています。ちなみに、木村が書いた8冊目の書籍は、その解説集です(共著)。
以上を踏まえると、試験対策として次の方法が挙げられます。
- テキストを使用した自己学習
- テキストと解説集を使用した自己学習
- 認定講座を受講
試験内容
試験には「ロジスティクス『管理』と『オペレーション』」の2種類があります。
オペレーションの出題範囲を見てみると、『包装』、『ユニットロード』、『物流拠点』、『センター運営』、『国際輸送』、『環境』などの項目があり、物流全体を網羅していることが分かります。
試験範囲は広く浅くですが、そもそも狭く深い出題範囲では試験が成り立たないですし、広く深く学習してもらうことは、物流全体を俯瞰することができる人材を育てることになりますから、とても意味がある試験だと言えます。
皆さんの会社でも人材の底上げということで、資格試験の一つとして導入してみませんか。
その際は、木村が執筆の一部を担当しました「過去問題+解説集」や、木村が講師を行う「試験対策講座」も検討に加えていただければと思います。
詳細は下記のお問い合わせフォームからお願いします。