センシティブ品目 前編

今回の号では、貿易に携わる方必携の本を紹介させていただきます。

「新貿易取引―基礎から最新情報まで」
http://www.khk.co.jp/cont?id=4667

著者の一人である石原氏は、大手物流会社の国内・海外で長年活躍されたのち、
東海大学に転身され教授として教鞭をとっています。
また、国土交通省の委員等多数歴任されています。

この本は実務に裏付けされた、かつアカデミックな貿易実務書であり
一冊はかならず手元に置いておきたい本の一つです。
この本を購入された方は、ついでに私の本も手に取っていただけるとうれしいです。
「いますぐ現場で役立つ物流実務のノウハウ」
http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/3339.html

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本年2月にシンガポールで開催された
TPP閣僚会合での焦点は関税撤廃でした。

日本は、海外から安い商品が輸入されることで
国内生産者が脅かされる恐れが特に大きい、
牛・豚肉、乳製品、小麦、砂糖、米の5品目を「センシティブ品目」として、
関税率を維持することを強く主張していることは皆さんご存知のことでしょう。

日本が主張している「センシティブ品目」は、
細かく分けると全部で586品目になります(2月25日現在)。
では、この586品目とは一体どのような性質のものなのでしょうか?
■ HSコードと関税 ■
この586という数字はHSコード番号の数です。
HSコードとは、WCO(World Customs Organization:世界税関機構)によって決められた、
世界の145ヶ国とEUが締結しているHS条約の中で規定されているもので、
世の中に存在するすべての物がコード化されています。
当然、センシティブ品目といわれている物もこの中に含まれています。

締結国以外でHSコードを使用している国もあることから、
なんと約200の国と地域でHSコードは使用されているのです。
今年の1月現在で国連に加盟している国数は193ヶ国なので、
間違いなく世界標準と言えるでしょう。

(つづく)

参考ページ
4月号2/3 センシティブ品目

4月号3/3 センシティブ品目

この掲載文は、ロジスティクストレンド誌に連載している内容を転載しております。
http://www.logitrend.info/

 

貿易コンサルタント 木村徹