ISDS条項(以下、ISDS)は、「国家と投資家の間の紛争解決の条項」のことであり、
ISDSは、投資家(相手先国に工場を作ったり、店舗を展開する等の投資家)が、
投資先国の政策や法律が変更されたことによって
当初計画していた事業を継続することができなくなったり、
国有化のために資産の凍結や没収があったりした場合に、
相手先国に対して訴訟を起こす際に関係してくる条項です。
単にISD条項と呼ぶ人もいます。
これはTPPでは輸入関税率問題と共に脅威になるのですが、
世間であまり取り上げられていないのが怖いところです。
■ 大豆の表示制度
大豆は、平成13年4月1日からJAS法と食品衛生法による表示制度がスタートし、
遺伝子組み換えの表示をしなければならなくなりました。
皆さんがお店で買う豆腐には、原材料である大豆が遺伝子組み換えのものであるか
記載されていると思いますが、これは、この表示制度によるものです。
厚生労働省は、遺伝子組み換え食品の安全性について、
様々なデータに基づき食べ続けていても問題ないとしています。
また、「遺伝子組み換え食品を食べた害虫が死ぬ仕組みは、
害虫の消化管はアルカリ性のためBtタンパク質が活性化して、
害虫の消化管の受容体と結合して作用を発揮するためであり、
人間の胃は酸性であり受容体もないので人体には影響ない」と説明しています。
大豆の他に、トウモロコシ、ばれいしょ、なたね、
綿実と加工食品30食品群(豆腐、納豆、ポップコーン他)がその対象になっています。
(つづく)
参考ページ
3月号2/3 本当に怖いISDS条項
3月号3/3 本当に怖いISDS条項
この掲載文は、ロジスティクストレンド誌に連載している内容を転載しております。
http://www.logitrend.info/
貿易コンサルタント 木村徹