■ 食料自給率
国が発表している資料の一つにカロリーベースの食料自給率があります。
現在の自給率は39%(※)ですが、TPP実施後に関税が全廃された場合
14%になると政府は試算しています。
※生産額ベースの食料自給率は66%と公表されています。
また、世界的にはカロリーベースの食料自給率は使われていません。
■ 食肉市場の推移
農畜産業界では、関税率が無税になって
安価な農畜産物が輸入されることにより市場を荒らされてしまい、
価格競争力が弱い国内産の農畜産物は売れなくなると言われています。
誰もが不安になるのは当然です。
しかし、この図式が正しいかどうか農畜産物で市場開放された「牛肉」を見てみます。
団塊の世代が子供の時は牛肉が食卓にあがることは
年に一回あれば良い方だったでしょう。
しかし、現在では美味しくて安価な牛肉が市場にたくさん出回っています。
これは、牛肉の輸入自由化が行なわれたからです。
「牛肉(生鮮のもの及び冷蔵したもの)」の輸入関税率の時系列的推移」
1. 平成2年度、輸入枠制度、税率25%、輸入量39.4万トン
2. 平成3年度から輸入枠を撤廃し関税化を行った(平成3年度70%)
3. 平成3年度以降、輸入関税率を段階的に引き下げた(平成6年度50%)(平成7年度48.1%)
4. 平成12年度以降は38.5%
(つづく)
参考ページ
2月号2/3 TPPが農業に与えるインパクト
2月号3/3 TPPが農業に与えるインパクト
この掲載文は、ロジスティクストレンド誌に連載している内容を転載しております。
http://www.logitrend.info/
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2月のTPP交渉は妥結しませんでしたが、
これは米国のシナリオ通りではないかと考えます。
では、私が考えるシナリオはどのようなものかというと
4月にオバマ大統領が訪日し、
そこでTPP交渉の日米2国間合意が固まるというものです。
何故その時期まで持ち越すかと言うと、
オバマ大統領が日本との合意を取り決めたということで
今秋行われる米国での中間選挙を優位に運ぶためです。
いかがでしょうか。
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貿易コンサルタント 木村徹