パレットによる物流費アップ

2024年問題

 2018年に成立した「働き方改革関連法」により、2024年4月からトラックドライバーさんの時間外労働の上限規制(年960時間)が適用されます。適用まであと2年となりましたが、日本全国にある約6万の貨物運送業者の中でもその対策が出来ている事業者は少数派ではないでしょうか。

 なぜなら時間外に上限が設定されることで、時間外労働が恒常化しているドライバーさんの確保と定着に苦労している経営者は、今以上の人数のドライバーさんを確保しなければならなくなるからです。

 しかし、それがうまく行かないと本当に困るのは荷主企業です。貨物を運ぶ手段が無くなるからです。

 

手をこまねいているわけではない

 対策が出来ていないと書きましたが、運送会社も荷主企業も対策を全く取っていないわけではありません。その対策の一つがパレット利用です。

 トラックへの貨物の手積み手降ろしはドライバーさんの負担が大きいため、ドライバーさんが集まらないどころか辞めてしまう大きな原因となっていました。その対策としてパレットを利用する企業が増えているのです。

 しかし、パレット導入には当然コストが伴います。この場合の運送における人件費以外の主たるコストは、フォークリフトの費用とパレットの費用です。

 

どれだけお金が必要なのか

 フォークリフトには、電動式とエンジン式があり、かつ積載荷重によって何種類にも分かれるため価格も多岐にわたりますが、安価なモノでも1台数百万円します。リース方式で導入する方法もありますがコストが発生することには変わりありません。

 一方のパレットですが、これには木製とプラスチック製があります。そして、素材の種類やサイズ、耐荷重によって価格はピンキリです。しかも、近年は価格上昇傾向にあります。それは、新聞でも報じられているとおり、ウッドショックと原油価格の高騰によるものです。高いものだと一枚当たり1万円ほどのものもあります。これでは投資ばかり嵩んでしまい、事業を継続するどころではなくなってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一般社団法人日本パレット協会のデータから作成

 

 フォークリフト同様、パレットにもレンタルパレットという選択肢があります。おおよそ一日当たり一枚5-8円ほどです。その他に引取時と返却時のトラックの費用が発生します。大型車に満載すると200枚強積載することが出来ます。仮に200枚を一ヶ月間借りた場合で運賃が片道3万円とすると、月間10万8千円かかります。一枚換算で540円です。

 これをどうやって捻出すればよいでしょうか。最終的には、商品価格に転嫁するしかないでしょう。それはつまり、『物価上昇』が目に見えているということです。

 

何とか安く済ませられないだろうか

 フォークリフトは中古車が販売されているので、それを購入することで出費を抑えることが出来るでしょう。

 実は、パレットも中古品が売買されています。なんでもかんでも新品をそろえなければならないということもないでしょう。ましてや、パレットは紛失がつきものです。荷降ろし先で返却してもらえないこともあり得ます。中古パレットも選択肢の一つではないでしょうか。

 

 興味がある方は、物流・貿易研究所までご連絡願います。