TPPと日本のFTA戦略 後編

米戦略国際問題研究所のグッドマン政治経済部長の言う、

日本がTPPで得られる利益の一つは

「日米間の同盟強化」であるという言葉が気になります。

 

本来のTPP交渉内容とは直接関連のないものをちらつかせながら

交渉するというのはいかがなものかと思います。

 

本来TPPとは交渉参加12カ国のものであるので、

12カ国がそろって交渉すべきものですが、

新聞を読んでも、ニュースを聞いても日米交渉の状況しか書かれていません。

つまり、日本が参加しなければTPPは体をなさないということであり、

これがTPPの現実なのです

 

このような現状では、ほとんどの国民はTPPに興味が無くなっていることでしょう。

実際、今年の初めに頻繁に行われていたTPP反対のデモは

現在では全く行われていないようです。

いまだ交渉が続いているのにデモは止めてしまったということは、

デモを行っていた方々は様子見をしているのでしょうか。

 

TPP交渉への参加は「やーめた」と言えばよいと思っている人も多いと思いますが、

他国との付き合いを考えるとそういうわけにはいかないのでしょう。

それとも意地の張り合いなのかもしれません。

いずれにせよ、このままTPP交渉を継続していくならば

安易に妥協しないというのが政府に期待するところです。

 

TPPに参加しなくなったからと言って、

日本は何も困ることはないのだと1年間読んで下さった読者の皆さんならお分かりでしょう。

 

なぜかというと、日本には「RCEP」や「日-EU間FTA」、「日中韓FTA」等の

TPPに代わる国際交渉がたくさんあるからです。

 

交渉中のFTAの名称 域内人口
TPP 8億人
RCEP 34億人

 

 

 

 

 

 

 

(参考ページ)

12月号1/2  TPPと日本のFTA戦略

 

貿易コンサルタント 木村徹