「道路混雑の緩和」
港に隣接されたコンテナ・ヤード(CY)周辺は恒常的に道路が渋滞しており、
東京港では輸入されたコンテナをCYから引き取るのに平均3時間30分もかかっています。
これは、CYのゲートオープンの長時間化やCY作業の効率化等で
少しは短縮することができると思いますが、
コンテナラウンドユースを行うことで、より混雑緩和につながるでしょう。
「CO2削減と消費燃料削減」
たとえば、横浜港から片道35Kmの神奈川県相模原市に輸入者、輸出者がいると想定した場合、コンテナラウンドユースを行わない場合では、コンテナは2往復走行することになります。しかし、コンテナラウンドユースを行った場合は1往復ですむため走行距離が約半分になり、CO2削減に寄与することが可能です。
「物流コスト削減」
コンテナ運送距離が約半分となることから、
コンテナ運送料もそれに比例して安くなることでしょう。
また、CYでの混雑が緩和されれば、
トレーラーの稼動回数を増やすことが出来るため物流コスト削減にも寄与することでしょう。
この取組みは、本来あるべきでない無駄なものがなくなるので、良いことではあるのですが、
トレーラーのドライバーの仕事と雇用が減ることにも関係するため、
慎重に考えなければなりません。
ちなみに、コンテナラウンドユースが進んでいない理由は、
内陸地で空になった輸入コンテナを利用する輸出者探しが困難であること、
両者が同じ船会社を使用し、更にコンテナサイズが
合致しなければならないことが挙げられます。
また、コンテナに不具合があった場合やコンテナクリーニングが
必要な場合の責任の所在も理由の一つです。
参照 : TIR条約 前編
貿易コンサルタント 木村徹