実際は車ではなくトラックのシャーシではありますが、
「韓国のナンバープレート」と「日本のナンバープレート」の
2つのナンバープレートを取り付けたシャーシが日本の道路を走っているのです。
また、このシャーシは同様に韓国の道路も走っています。
香港と中国本土の深圳地区、欧州各国、南北アメリカ大陸等、
国境が陸路で繋がっているのならまだしも、
海を挟んでいる両国がこのような取り組みをしているのは驚きです。
この取り組みは、将来的に日中韓三国間のトレーラーシャーシの
海陸一貫輸送を実現するカギになると言われており、
実現することで、海上輸送と国内輸送が直結し
国際間のサプライチェーンが円滑化するため、
物流がますます効率的になることでしょう。
日中韓の貿易量は図の通りです。
これだけの貿易量がある国々の間で輸送が効率化されれば、
総物流コストが下がり物の価格も下がるというものです。
- 日韓共通シャーシの経緯
2012年7月16日
第4回日中韓物流大臣会合において、パイロットプロジェクトの実施協力が合意されました。
2012年10月10日
日本のシャーシ20台が韓国国内を初通行しました。
2013年3月17日
韓国のシャーシによる日本国内の通行が開始されました。
このシャーシに積載されていた貨物は自動車部品で、
九州にある日産自動車の工場と釜山のルノーサムスン工場間を輸送されました。
このシャーシは高速RORO船(いわゆる、フェリー船)で運搬され、
日本の港に到着後そのまま日本国内を移動することができます。
日産自動車によると、従来、海上コンテナで輸送していた場合と比較して、
工場の部品在庫を25日分から、
なんと3日分にまで削減することができたそうです。
この取り組みにより、相当額のキャッシュフローが向上したことでしょう。
参照 : 韓国ナンバーの車が日本の道路を走っている!? 後編
貿易コンサルタント 木村徹