韓国ナンバーの車が日本の道路を走っている!?  後編

  • 今後の方向性

日産自動車の事例では在庫が22日分削減されました。

ここに中国も加わることで、日中韓の仕組みが出来上がれば、

これ以上の効率化が図れることは間違いなく、

今まで以上に3国間の貨物の行き来が頻繁になることでしょう。

 

  • これからの北九州

時間面を見てみると、現在の日韓フェリーでは、

釜山発下関向け航路の場合、21時に出航した船が翌朝7時45分に下関港に到着します。

釜山発博多向け航路の場合もほぼ同様であるうえ、

博多発釜山向けでは、12時30分に出航した船が当日18時に着くというアクセスの良さは、

国内物流における博多・神戸間のトラック輸送に匹敵します。

 

北九州のロケーションが東京と上海のちょうど中間に位置すること、

博多・釜山間の距離が博多・広島間のそれと同等であることを考えると、

北九州は日本国内よりも、中国や韓国を視野に入れた拠点として位置づけることにより、

今後発展が見込めることと思います。

 

そのためには、「日中韓EPA」や「RSEP」が重要になってきます。

「RSEP」は今年中に締結する方向性で動いています。

 

これから数年で、北九州の貨物の流れが大きく変わることは間違いないでしょう。

 

  • 参考 

【日本・中国間】

2003年11月に画期的な事が起こりました。

博多・上海間をたった1日で結ぶ「上海スーパーエキスプレス」というRORO船が就航したのです。

シャーシに搭載した20’と40’の海上コンテナと共に、鉄道用のコンテナも輸送しています。

また、関光汽船では、上海下関フェリーを活用して下関港と中国の蘇州太倉港間で、

日本のトレーラーによる中国国内へのDoor To Doorサービスを提供しています。

 

【中国・韓国間

両国では、日本よりも早く2010年12月にシャーシの相互通行を開始しています。

 

参照   : 韓国ナンバーの車が日本の道路を走っている!? 前編

 

貿易コンサルタント 木村徹