2013年 空港別貨物取扱量順位表(抜粋)
順位 | 空港名 | 取扱数量
(百万トン) |
1 | 香港 | 4.166 |
8 | フランクフルト | 2.094 |
9 | パリ | 2.069 |
10 | 成田 | 2.020 |
16 | アムステルダム(スキポール) | 1.566 |
17 | ロンドン | 1.515 |
23 | 羽田 | 0.954 |
注)積載貨物量、積降貨物量と郵便貨物の合計です。
データ:ACIのデータを筆者加工
ボーイング767の貨物専用機は1機で約50トンの貨物を
積載することが出来るので、香港では1年間で貨物専用機83,320機分の
満載貨物を扱っているという計算になりますが、
実際には貨物は人間が乗るための航空機(パッセンジャー)にも積載されるため、
これの何倍もの数の航空機が貨物を積んで離発着していることになります。
EUの空港
港の大きさは重要視するものではないと言いましたが、
港の近くに国際空港があるのはポイントが高いと言えます。
前述の、英国以外の3港近辺の空港を見てみると、
ルアーブル港はルアーブル空港まで車で20分、
アントワープ港はアントワープ空港まで車で30分、
ロッテルダム港はスキポール空港まで車で1時間と、どの港も空港と近接しています。
しかし、ルアーブル空港は世界中からの貨物機が到着する空港ではないため、
この空港を使用することを前提と考えるのは少し疑問が残ります。
先月号の前半部分では、欧州における地理的要件を記載しました。
それによってオランダ若しくはベルギーに
地の利がありそうだということが分かりました。
それは、コンテナ船が就航している大きな港と、
その近郊に国際空港があるからでした。
ただし、この検討方法は欧州での輸入貨物を
取り扱うための物流センターを前提に考えており、
欧州域内で生産・製造されている商品の物流センターではないことを
付け加えておきます。
今月号では、両国におけるそれ以外の要因について比較しながら
見てみたいと思います。
まずは、自国への企業誘致を行っているオランダとベルギーの各政府組織が
どのようにPRしているか、主なものを抜粋してみました。
- オランダ経済省 企業誘致局
1. 最適な地理的条件と整備された物流インフラ物流の円滑化を維持している。
VATの取り扱い方法や先進的な税関システムが、
2. 会社設立の第一の選択ポイントとなる税制メリット
オランダの法人税率は25%と日本の法人税率と比較して低率である。
3. イノベーションと研究開発
ITネットワークが整備されている。
4. 日本人駐在員にとっての生活環境
400社以上の日本企業が進出しており、
約7,000人の日本人がアムステルダム地域に居住している。
貿易コンサルタント 木村徹