ミニマム・アクセス米の輸入量
国が無税で輸入するミニマム・アクセス米の量は年間77万トンです。
このコメは、輸入後、1Kgあたり上限292円を上乗せして
販売できるということになっています。
輸入価格に上乗せすることで国内産米との価格差が
大きくならないような措置を取っています。
なお、この上乗せ額には輸入諸掛りや農家保護のための原資と共に、
物流費も含まれています。
ミニマム・アクセス米の保管料
この物流費のほとんどは保管料です。政府米の委託契約では3期制が取られています。
3期制とは、1か月を1日から10日まで、11日から20日まで、
21日から月末までの3期に区分して期ごとに
保管経費を計算する保管料の計算方法です。
1期分の保管単価は100Kgあたり
22.48円から28.77円までとされています。
この保管単価を年間のトン当たりに換算すると約10,000円になりますので、
ミニマム・アクセス米の保管量を
前年度からの在庫分も含めて100万トンとした場合、
保管料だけで年間100億円かかります。
国が発表している支払保管料は平成25年度が86億円でしたが、
年度別最大額は平成18年度の184億円であり、
19年間の年間平均保管料は95億円です。
今後TPPが実施されると国によるコメの輸入量は益々増加することから、
保管料だけを見てもこれまで以上に税金支出額がかさむことでしょう。
TPPによって保管量が増加すれば、
倉庫業者のビジネスチャンスが増えるということです。
貿易コンサルタント 木村徹