保税地域と免税店 前編

保税地域と免税店

保税地域という言葉から連想されるものはCY(コンテナヤード)とか保税倉庫、

その他には国際展示場かと思いますが、

海外へ行くために空港に行ったことがある方ならば

誰もが知っている『免税店』も保税地域です。

しかし、多くの人は免税店=保税地域という概念を持っていないことから、

「空港は特別な場所だから海外の商品を安く買うことが出来る」と

思っているようです。

しかし、ここで言う免税とは『関税』を免除することです。

つまり、免税店では関税がかかることなく商品を購入することが出来るのです。

 

輸入関税率

その免税店で皆さんが購入するものを考えてみると、

タバコ、酒、化粧品、時計、ブランド品の衣服、バッグ等が挙げられるかと思います。

これらを輸入する場合の関税率は図1の通りです。

 

図1

品  目 税  率
紙巻タバコ 8.5%+290.70円/1000本
酒(ウオッカ) 17.9%
化粧品(口紅) 5.8%
時計 無税
女性用ブラウス(綿製) 9.0%-16.0%
革製ハンドバッグ 12.5%

関税定率法 基本税率、2016年1月現在)

 

輸入品を国内の店舗で購入すると、

その価格の中にはこれらの輸入関税が含まれています。

しかし免税店では、これらの関税がかかっていない上に消費税もかからないため

安く購入することが出来るのです。

また、タバコや酒については関税の他にタバコ税や酒税も含まれていますが、

これらもかかりません。

海外に出かける前は皆高揚感に満ちており、

免税店は買わなければ損をするような気分になる特別な場所です。

しかし、この表を見て分かる通りお得感のあるものとそうでないものがあります。

 

貿易コンサルタント 木村徹