免税店の危機
ところで、免税店で安く購入できなくなる事態が数年後にやってきます。
それはTPPです。TPPが発効されると多くの品目の関税が撤廃されます。
ここに記載した品目も同様であり、街中で購入する場合と比較して
消費税分しか安くならないことになってしまい、
わざわざ免税店で購入するメリットが薄れてしまうのです。
免税店と法制度
この免税店とは、関税法上では関税法第42条の保税蔵置場であり、
保税売店と言われている、税関長が許可している場所で、
次のように規定されています。
① 販売対象者は出国者とする。
② 保税売店には、
出国者向けの保税販売用物品以外の外国貨物を蔵置してはならない。
③ 保税売店で販売した物品の引き渡しは、
出国又は通過旅客待合室の保税売店において直接手渡す。
また、物品を販売した際には販売年月日、品名、数量、出国者の氏名、
国籍、搭乗予定のフライト番号を記載した販売伝票を作成し、
それに出国者の署名をさせることとしています(国籍と署名は省略が可能)。
そして、保税売店は販売した物品の品名、数量、蔵入承認番号を記載した
搭乗一覧表を作成して販売伝票とともに保存しなければなりません。
このように規定されているので、
免税店で買い物をする際にパスポートとチケットの提示を求められるのです。
免税店?と免税店?
また、最近街中で「TAX FREE SHOP」の看板を
見かけることが多くなりました。
2015年10月1日現在、全国に29,047店あります。
このお店は、非居住者に物品を販売する際に消費税を免税して販売できる店舗であり、
関税が免税になる「DUTY FREE」の免税店とは別物です。
貿易コンサルタント 木村徹