第二の人生を迎える老朽化した「山下ふ頭」 前編

山下ふ頭とは

横浜で輸出入関係の仕事をしている人で

山下ふ頭を知らない人はいないでしょう。

山下公園に行ったことがあれば、

氷川丸越しに立ち並んでいる倉庫群を見たことがある方がいると思います。

そこが山下ふ頭です。

しかし、ほとんどの方はそこに入ったことがないのではありませんか。そ

れは、入り口に『関係者以外立ち入り禁止』という看板が立っているからです。

 

このふ頭は、横浜港内にある瑞穂ふ頭が米軍に接収された後にその代替ということで、

東京オリンピックがあった1964年に当時最先端の技術を導入して作られました。

なお、瑞穂ふ頭はノースピアと呼ばれており、一部は今でも米軍が使用しています。

当時はまだコンテナ船が就航しておらず在来船全盛の時代でした。

その後、コンテナ船が就航してからは本牧ふ頭や大黒ふ頭が

山下ふ頭にとって代わりました。

 

私が就職し最初に配属になったのがこの山下ふ頭の保税倉庫でした。

そこに4ヶ月いた後、別の事務所の通関部門へ配属されましたが、

その時山下ふ頭はまだまだ現役でした。

山下ふ頭

出展 横浜市港湾局HP

 

山下ふ頭での貨物取扱量

山下ふ頭の土地は横浜市の所有物ですが、

そこには公共の上屋、荷さばきエリア、岸壁とともに24棟の民間倉庫もあります。

それらのほとんどはどれも建築後50年近く経っている老朽化したものです。

しかしながら、老朽化したということよりも、

コンテナ船全盛の現在では物流機能の活用方法が変わってきているということから、

横浜港全体でのふ頭別にみた山下ふ頭の貨物取扱量は1%未満であるのが実態です。

ちなみに1980年では200万トンを超えていたということからも、

必要とされる機能が変化したということがよくわかります。

横浜港取扱量

 

 

 

 

 

 

貿易コンサルタント 木村徹