第二の人生を迎える老朽化した「山下ふ頭」 後編

山下ふ頭の今後

山下ふ頭開発のキーワードはMICEです。

これは、観光庁が唱えているものであり、

Meeting      (企業等の会議)

Incentive Travel (企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行))

Convention   (国際機関・団体、学会等が行う国際会議)

Exhibition/Event (展示会・見本市、イベント)のことです。

 

山下ふ頭のロケーションは、

それらすべてを実現することが可能なものであるということが

開発に向けた大きな要因の一つです。

そのロケーションとは、日本有数の観光地である横浜・山下公園に隣接している

(保税地域という性格上、現在はアクセスすることができませんが)、

陸や海からのアクセスがよい、駅からの徒歩圏内である、

という地の利を含んでいます。

 

また47haという、再開発するのに程よい広さであるということも重要な要素です。

これは、桜木町に隣接したみなとみらいエリアに匹敵する広さです。

 

山下ふ頭のゾーニング

山下ふ頭には「ホスピタリティー」と「クリエイティビティー」の機能を持たせるということで、

次の2つの空間・6つのゾーンに分けることが構想されています。

  1. 観光空間
  2. ウォーターフロントゾーン
  3. 賑わいゾーン
  4. 大規模施設ゾーン
  5. リゾート空間
  6. 客船ゾーン
  7. エンターテイメントと宿泊ゾーン
  8. ウォーターフロントゾーン

 

その他の地域の臨海部の今後

すべての老朽化した保税地域に、このような華やかな老後が待っているわけではありません。

山下ふ頭においても、実現には多大な課題があり完成は2050年の予定とされています。

構想から35年以上の時間が必要だということです。

 

しかし安心してください。第1段階として、

山下公園に面した側13haの開発が

東京オリンピック・パラリンピックまでに完了するとされているからです。

 

今月号は、横浜市港湾局の資料を参考にしました。

 

貿易コンサルタント 木村徹